空港「保安検査場」に忍び寄る危機 理不尽クレーマーにたじろぐ現場、早急改善で離職防げ
あまりにも報われない空港の保安検査業務。その実態とは。
自動化が進まない「保安検査」
この夏は3年ぶりに自由を満喫できそうだ。海に山に繰り出す人も多いだろうし、バカンスを求めて飛行機を利用する人も増えるだろう。長きにわたって苦しんできた航空会社も、少しずつ明るさが戻ってきた。
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格安航空会社(LCC)を利用すれば安く済むし、空港での手続きも、JALやANA、LCCのどちらを利用しようが、チェックインも空港に行く前に済ませることができる。もちろん、搭乗も自動改札で、長く待たされることはまずない。荷物の預け入れもセルフでできる。
そうしたなか、唯一自動化が進んでいないのが
「保安検査」
だ。
持ち込み手荷物をエックス線に通し、中身を人間がチェックする。中身の像が重なってよく見えなかったら、開被検査が行われる。パソコンなども取り出さなければならない。せっかくパッキングした甲斐がなく、詰め直すのも面倒だ。また、ジャケットなども脱がなければならないし、場合によっては靴も脱がされる。
こうした作業には時間がかかる。そのため、航空機の出発便が重なるような時間帯には長蛇の列になることも。これが原因で航空機の出発が遅れることも多い。果たして、何とかならないものか。
当然、利用者の中にはこうした検査にいら立つ人も出てくる。場合によっては職員に対して暴言を吐く者もいる。しかし、彼らは航空機の安全運航を第一線で支えているのだ。彼らの働きは、今日に至るまで正当に評価されていないが、最近、ようやく見直しの動きが出てきた。