JR東の減便で、栃木の高校「授業時間」繰り上げに! 今一度考えたい、鉄道と利用者のあるべき姿とは
列車の運行時刻が変更された影響で、高校が授業時間の変更を余儀なくされた例がある。鉄道と利用者、双方にとっての「最適解」とは何か、あらためて考える。
乗車率はわずか5%
同支社によると、この区間の乗車率は、平日朝夕の混雑時間帯でも20%にとどまり、終日ベースではわずか5%という。
2020年に5両編成の交直両用電車(従来は2両)が導入され、定員が倍増したため、実態以上に乗車率が低く算出される事情があるとはいえ、利用者が少ない現状に変わりはない。
当該の区間に接続する普通列車や東北新幹線にも影響するため、一度決まったダイヤを覆すのは容易ではない事情もある。
同支社は「厳しい利用状況の中、車両や乗務員など、限られた資源で持続的に運用するため、総合的に決定した」と、現行のダイヤに理解を求める。
持続的な鉄道を模索
高校生を戸惑わせた今回の出来事も、ひとまず授業時間の変更で落ち着きそうだ。
栃木県教委の高校教育課は「2022年度はこれで様子を見ている」と説明。
公共交通を管轄する同県の交通政策課も「終業時刻の繰り上げ後に現地を確認したところ、懸念された列車に乗り遅れる状況はなくなっている」と、まずは胸をなで下ろしている。
ただ、今回の問題の「最適解」は、授業時間を変更することでも、列車の時刻をダイヤ改正前に戻すことでもなさそうだ。