日本の「米どころ」をばっちりサポート 農業DXに挑む「新潟大学」の取り組みとは

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スマート農業を加速する新たな研究開発は、教育機関でも行われている。今回はその中でも新潟大学を取り上げる。

産学官連携でスマート農業が加速

自動運転農機「アグリロボトラクタSL60A」(画像:クボタ)
自動運転農機「アグリロボトラクタSL60A」(画像:クボタ)

 最先端技術を農業に取り入れる動きは2010年代から加速。第2次安倍内閣の成長戦略「日本再興戦略」のうち、2016年に閣議決定された「日本再興戦略2016」に農業分野の展望が記載され、スマート農業の推進として

・2020年までに、遠隔監視によるトラクターの無人自動走行システムを実現するため、産学共同研究や関連制度の整備を推進
・AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の活用による飛躍的な生産性向上を図るため、『人工知能未来農業創造プロジェクト(仮称)』を開始

と掲げられていた。その後、農林水産省は2019年度からロボット、AI、IoTなど先端技術を活用したスマート農業の社会実装を加速させる「スマート農業実証プロジェクト」を開始した。

 スマート農業を加速する新たな研究開発は、教育機関でも行われている。文部科学省は2021年度、さまざまな分野でのデジタル化を推進かつ人材育成を目的とする「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」を発表した。DXとはデジタルトランスフォーメーションの略語で、ITを活用して企業などが新たな価値を創出することを意味している。

 その取り組み例として、

●デジタル×農業
客観的なデータを活用し、農業生産のための経営力、6次産業化を加速させるカリキュラムの開発・実施

●デジタル×工業
金属など素形材産業におけるIoT導入に対応した製品開発実習の開発・実施

●デジタル×建築
アナログで行われている設計等の各工程をシミュレーター等を活用した体系的な実験・実習として開発・実施

●デジタル×農業×建築
国内の木材生産から加工建築までの川上川下一貫したグリーン建築実習等の開発・実施

といったものを示した。

 同事業は国公私立大学等を対象にしており、99件の応募のうち、39件が採用された。そのうちのひとつに選ばれたのが、水稲の作付面積日本一を誇る新潟県の国立大学・新潟大学である。

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