電車の「バリアフリー化」もはや待ったなし! 鉄道技術展・大阪で見えた、業界の最重要課題とは
2022年5月に開催された「鉄道技術展・大阪」。その展示内容から見えた鉄道業界にとっての喫緊の課題とは。
3. バリアフリー化

(3)の「バリアフリー化」を実現する技術の例としては、東大阪市に生産拠点を持つ鉄道車両メーカーである近畿車輌が開発中の「車載式自動スロープ」がある。これは、車いす利用者の乗降をサポートする装置だ。
スロープは、通常ドア付近に設置するケースに収納されており、乗務員の遠隔操作によりスライドして、駅のホーム側に倒れる構造になっている。
車体床面とホーム面の橋渡しをすることで、車いすでの乗降を補助する。この装置は新型車両だけでなく、既存の車両にも取り付け可能だ。
営業用車両への導入例はまだないが、今後、鉄道事業者に導入を提案して行きたいという。
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もちろん、ここまで紹介した技術は、あくまでも(1)(2)(3)の例であり「鉄道技術展・大阪」で展示された技術のほんの一部にすぎない。
ただし、このような技術の展示が増えたことは、現在日本の鉄道が直面している課題が分かりやすい形で表に出たとも考えられる。