電車の「バリアフリー化」もはや待ったなし! 鉄道技術展・大阪で見えた、業界の最重要課題とは
2022年5月に開催された「鉄道技術展・大阪」。その展示内容から見えた鉄道業界にとっての喫緊の課題とは。
2. 保守作業の効率化

(2)の「保守作業の効率化」を実現する技術の例としては、首都高速道路のグループ企業である首都高技術が開発した「インフラドクター」がある。
同社は高速道路に関する技術開発を担う企業なので、鉄道との接点がなさそうに思えるが、鉄道と高速道路が立体交差する部分の土木構造物の点検などで鉄道と接点を持っている。
「インフラドクター」は、作業員による手作業で行われてきた高架橋やトンネルなどの点検を効率化するために開発された技術だ。
センサーを取り付けた乗用車を高速道路で走らせることで、土木構造物の形状を点群(三次元の座標データを持つ点の集まり)として連続的に記録し、変状を見つけ出すことができる。
この技術は、すでに鉄道(伊豆急行)のトンネルの点検で使われた実績がある。それゆえに、今後は他の鉄道事業者にも提案したいと考えているそうだ。