トラックドライバーが絶望的に足りない! 給与・待遇で大きな企業間格差、いま採用現場で何が起きているのか?
トラックドライバーをめぐる有効求人倍率は、2020年以降に低下がみられ、人手不足が解消しているかのように見える。しかし、こうした数字には表れないドライバー確保の難しさを現場は抱えている。前編・後編の2回に分けて紹介する。
採用で結果を出している運送会社の特長
「待遇と給与、この2点に対して、今まで以上に求職者が敏感になっていることを感じます」と小林氏は語る。
最近の傾向として、運送会社に限らず「きちんと休みを取れる会社」に人気が集まる傾向がある。貨物量の波動を見て、「明日貨物が少ないからさ、休んでくれない?」などという、会社にとって都合の良い休みのとり方を強いる運送会社は人気がないのだ。
また、賃金に対しては、今まで以上にシビアに反応する傾向があるという。
「例えば同じエリアで、支給額で2~3万円の差がある会社があったとします。『そんなに変わる!?』と思うくらい、応募者数に差がつくケースが見受けられます」(小林氏)
あくまで小林氏の肌感覚ではあるが、2~3割の差がつくのは当たり前で、場合によってはもっと大きな応募者数の差が発生するケースも目にするという。
では、小林氏の考える、トラックドライバー不足の根本原因とはなんだろうか?
「トラックドライバーという仕事の対価が、今の時代の価値観とマッチしていないことが、トラックドライバー不足の根本的な原因ではないでしょうか」
「この仕事の内容だったら、給与が5万円低くても、もっと楽な仕事を選ぶよ」──トラックドライバーという働き方に対し、このように考える人が、今の時代、増えているのだろう。