なぜスバルはアセントを「右ハンドル化」せずそのまま日本投入するのか? 特例制度で変わる逆輸入、供給の転換を考える
2026年2月の特例制度施行で加速する米国生産車の「逆輸入」。だがその本質は通商対応の枠を超え、自動車大手の経営戦略のわかれ目となっている。米国仕様のままスピード導入を図るスバルに対し、トヨタは今秋の「カムリ」販売目標1万台に向けて日本仕様への調整を敢行。同じ制度下で二分した戦略から、世界規模で再編される生産体制の未来を見通す。
特例によるスバルのスピード戦略

今回の特例制度により、大型スポーツタイプ多目的車(SUV)や3列シート車など、日本で販売されていない海外仕様車を購入できる機会が広がる。直近では、スバルが3列シートSUV「アセント」の逆輸入を検討していることを明らかにした。
アセントは2018年からスバルの米国インディアナ工場で生産され、米国を中心に家族向けとして販売されている。スバルの現行ラインナップの中で最も大きい車種であり、米国市場では
・トヨタ「ハイランダー」
・日産「パスファインダー」
・マツダ「CX-90」
が競合となる。日本市場では、大型の3列シートSUVの選択肢が限られており、アセントはその不足を補う役割を担う。トヨタはトヨタモビリティ東京限定でハイランダーを4月2日から販売している。アセントは
「左ハンドルかつ米国仕様のまま」
導入される見通しであり、限られた空白を埋めるために、制度を活用して導入を急ぐ動きと位置づけられるだろう。
また、日本での販売台数が限られ、日本向け専用仕様の開発費を回収しにくい事情もあり、この特例制度との相性は高い。