国産バンの牙城どうなる? 世界「3位」の韓国グループが進める、「小型商用車」の価値拡張とは
世界3位の現代自動車グループから、起亜(キア)が13年ぶりに日本再上陸を果たした。狙いは国産勢の牙城、商用車市場だ。ギネス記録の航続距離693kmを誇るEVバンを武器に、商社の双日と組んで「車を超えた基盤(PBV)」を展開する。完成車販売からサービス提供へ。商用車が「動く不動産」と化す地殻変動が今、始まる。
世界3位の巨人、国内LCVを急襲

2025年の世界販売台数で、韓国の現代自動車グループはトヨタ、フォルクスワーゲンに次ぐ第3位にまで登り詰めた。年間に約727万台を送り出す巨大な供給力を持ち、ブランド別で見てもヒョンデが414万台、起亜(キア)が313万台と、それぞれの足腰は強い。
2022年5月に日本市場への復帰を遂げたヒョンデは、「アイオニック5」や「ネッソ」から始まり、2023年9月の「コナ」、2025年4月の「インスター」と、着実に電動車の選択肢を広げてきた。
これに続くように動き出したのがキアだ。かつてはマツダなどと手を結び、2013年に日本での歩みを一度止めた過去がある。それから約13年。再び国内に姿を現した彼らが真っ先に目を向けたのは、日本メーカーが長年守り続けてきた小型商用車(LCV)の領域だった。
乗用車の電気自動車(EV)の展開で積み上げた「新しさ」というイメージや、その土台となる技術をそのまま商用車へ持ち込む。世界各地で量産を積み重ねたEV専用の基盤を惜しみなく投入するやり方は、日本勢とは立っている土俵がそもそも違うように見える。
・レジャー
・移動販売
といった、商用車の使い道が広がる今の空気を読み、巨大な資本を背景に、これまで手付かずだった隙間をじわりと突き崩しにかかっている。