駐車場に停めたままの軽EVが「月1万円超」を稼ぐ? 自動車メーカーが挑む“電力ビジネス”、始まる次の競争とは

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EVを「稼ぐ資産」へと転換する地殻変動が始まった。日産や三菱自動車は、1kW時あたり24円もの市場価格差に着目し電力取引へ参入する。軽EVで月1万円以上を稼ぎ出す試算も浮上した。売り切り型モデルから脱却し、エネルギー業界との融和を進める自動車大手の新たなインフラ覇権への動きを追う。

電力市場の価格差による収益

電力の市場価格の例(画像:日本卸電力取引所)
電力の市場価格の例(画像:日本卸電力取引所)

 電力ビジネスの利ざやは、市場価格の高低差から生まれる。夜間や余剰電力が多い時間帯は安く、需要が多い時間帯は高くなる。日本卸電力取引所(JEPX)によると、2026年6月のとある日の市場価格は1kW時あたり8円台から32円台まで変動し、その差は24円程度だった。

 この価格変動に連動させることで、新たな資産活用の道が拓かれる。一般的な乗用車は生涯の9割以上の時間を

「駐車場」

で過ごすといわれてきたが、電力取引はこの稼働していない時間を価値の創出へ転換する。三菱自の軽EV「eKクロスEV」(電池容量20kW時)で試算すると、最も有利な条件で売買できれば

・1日に500円程度
・月に1万円以上

を稼ぐことが可能となる。ローン返済や維持費の一部を車両自らが稼ぎ出して相殺し、コストを支払うだけの所有形態に大きな変化をもたらす。

 これらを支えるのは、前述のV2GやV2H(ビークル・ツー・ホーム)といった技術だ。V2Hは家庭と車両を接続して自宅へ電力を供給し、停電時の非常用電源としても機能する。一方のV2Gは電力網へ直接供給するため、車両が蓄電池の一部となる。車がお金を生み出す資産となる発想は、モビリティの経済価値をさらに引き上げる可能性を秘めている。

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