なぜ原付二種の困窮度は「約62%」に達しているのか? 駐車場が増えても不足感が消えない根本理由
50cc原付の生産終了と車体が大きい「新原付」の登場は、都市のインフラに新たな難題を突きつけている。都市部での駐輪困窮度が全国平均の1.8倍に達するなか、国も対策に本腰を入れ始めたが、現場の対応には大きな温度差がある。限られた都市空間をめぐる、インフラ整備の構造的課題と新たな解決の方向性を追う。
需要データ化と空間活用の展望

自動二輪車の駐車場への要望は、近くの区や市からも人が来るため、その地域の住民だけに意見を聞いても正確に隠れた需要を割り出せない。資料には、客観的に不足の場所を捉えられる統計の根拠が足りないという認識が示されており、データ集めに苦労していることが見て取れる。
この背景には、利用者の広い移動範囲と自治体の境目との間に起きる不釣り合いがある。バイクの利用者は役所の区画を気にせず動くが、予算を使うのは各自治体だ。ほかの区の住民が自区の仕組みを使い、維持費用を自区の税金で賄うという負担の偏りがあるため、自治体が自主的に大きな予算を投じる気持ちになりにくい。
そこへ原付の大型化が加わるが、連絡会議は答えを見出していない。今後は、地方公共団体における駐車場整備の重い施策化や開発指導の強化を促すため、全国への情報共有に加え、個別自治体との意見交換を実施することが有効であるとし、来年度以降も政令指定都市などに範囲を広げて意見交換を続けていくという発表にとどまっている。
当面の進め方は、全国の自治体との話し合いを重ねて地域に合わせた解決の道を探ることと、利用者の隠れた需要をデータにして計画の土台を作り上げることだ。
これらには数年の時間を要するだろう。しかし、土地が足りない大都市圏では場所を増やすこと自体が難しい。したがって、今後のデータ化の目的は増設だけを目指すべきではない。集めたデータを生かし、時間帯による料金の変動で混雑をなだらかにしたり、時間帯に合わせて四輪車と二輪車の駐車場所の割合を変えたりして、今ある空間の回転を高める仕組みへ移ることが求められる。
実際の仕組みを増やさずに、情報処理によって空間の働きを高めることこそが、これからの街の運営が目指すべき方向だろう。