なぜ原付二種の困窮度は「約62%」に達しているのか? 駐車場が増えても不足感が消えない根本理由
50cc原付の生産終了と車体が大きい「新原付」の登場は、都市のインフラに新たな難題を突きつけている。都市部での駐輪困窮度が全国平均の1.8倍に達するなか、国も対策に本腰を入れ始めたが、現場の対応には大きな温度差がある。限られた都市空間をめぐる、インフラ整備の構造的課題と新たな解決の方向性を追う。
土地の有無による各区の温度差

連絡会議が自動二輪車や駐車場事業の団体、地方自治体へ行った全4回の聞き取りにより、大都市圏での深刻な駐車場不足がわかった。
首都圏や大阪のほか、愛知、兵庫、福岡、京都、広島などの大都市でも不足感が強い。日本自動車工業会の調査によると、都市部で困っている度合いは全国平均の約1.8倍の約56%に達し、原付二種では
「約62%」
に上ることが資料に示されている。駐車場は増えているものの、いまだに求める声に追いついていない。
2026年2月から3月の東京都特別区意見交換では、同じ都内でも区によって捉え方に大きな違いがあるとわかった。A区は場所の確保や区営駐輪場への受け入れが進み「問題なし」とする一方、D区は「駅周辺に関して駐車場の不足認識を持っている」と答えている。
D区は、土地が高度に使われ場所の確保が難しいため、公開空地の空いた場所の活用を考えている。この違いの背景には、土地の価値や、土地を駐輪場にするときに得られなくなる利益の差がある。出入りが激しい中心駅の周りでは失う利益が大きすぎるため、民間の投資だけでは仕組みが整えられない。
また、公開空地の活用は、容積率を緩める代わりに開かれた緑の場所や災害を防ぐ空間を対象とする。ここに駐輪場を設けることは、
・災害防止や景観の維持という目的
・乗り物の行き来のための場所確保という目的
がぶつかり合うことを意味する。土地のゆとりの違いが大きく、国としても一通りの指導ができないのが今の姿だ。