かつては「都心の通過駅」――新宿から1.5kmの小駅が、住みここちランキング「121位→12位」となったワケ

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新宿からわずか2駅、小田急線・参宮橋が「住みここちランキング」で121位から12位へ急浮上した。巨大ターミナル至近でありながら、1日平均乗降人員は1万3182人。速さや再開発ではなく、「混雑を避けられる都心」が新たな価値として選ばれ始めている。

通過されない街が保つ高い純度

「街の住みここちランキング2026<首都圏版>」(画像:大東建託)
「街の住みここちランキング2026<首都圏版>」(画像:大東建託)

 渋谷区の一等地に身を置き、新宿という巨大な経済圏のすぐ隣にありながら、明治神宮や代々木公園の深い緑に直結する。この対照的な環境が不自然にならずに同居しているのは、ここが長らく「通過される街」であり続けたからだろう。

 広大な森が街の行き止まりとなり、通り抜けようとする交通を物理的に遮っている。そのおかげで、外部からの資本による急激な変化に飲み込まれることなく、街本来の姿を保つことができたのだ。

 経済的な合理性も見逃せない。LIFULL HOME’Sの家賃相場(ワンルーム・1K・1DK(マンション・アパート・一戸建て))を比較してみると、参宮橋の13.3万円に対し、新宿は14.34万円、南新宿は14万円だ。さらに、近隣の人気エリアである代々木八幡の15.45万円や、代々木上原の16.37万円と比べれば、都心至近でありながら値頃感がしっかり保たれていることがわかる。

「通過されない」という性質は、街の純度を守り、過剰な人の流動性から生活を切り離してくれる。今回の調査で、持ち家層から8位という高い支持を得た事実は、腰を据えて暮らしたいと願う人々が、この遮断された環境を積極的に選んでいる証しだろう。

 これまでの都市開発において、街が消費の対象から外れていたこと。それこそが、今の参宮橋にとって代えがたい価値となっているのではないか。

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