新幹線の“見返り”から40年… なぜ埼玉の短距離路線が「満足度2位」へと躍進したのか?
「新幹線の補償路線」は、なぜ人気沿線へ変わったのか――。埼玉・ニューシャトルが住みここちランキング上位に躍進した背景には、沿線開発と黒字転換、そして運賃を巡る議論があった。
債務を解消した三セクの優等生

その後は、各種支援に加え、沿線開発が進んだことで利用客が増え、経営状態も改善した。2007(平成19)年に沿線で開館した鉄道博物館も、新たな利用を生み出した。2013年度決算では累積債務を解消。近年は営業利益、純利益ともに黒字基調が続いている。
同社は公式サイトで、直近の損益計算書(第45期、2024年4月1日~2025年3月31日)の要旨を公表している。これによると、同期の営業収益は35億9600万円、営業利益は3億1100万円、純利益は4億200万円で、利益率は11.2%だった。営業収益は前期比3.1%増、純利益は同12.6%増となった。純利益はコロナ禍で一時赤字となったものの、その後は回復している。
また、埼玉県の公式サイトでは、県が出資する株式会社の情報公開ページを掲載している。これによると、2025年12月18日時点で、同社に対する補助金、利子補給金、税の減免額、金利軽減額、債務残高、貸付金残高はいずれもゼロとなっている。
埼玉県は同社へ出資し、常勤役員ひとりを派遣しているが、累積債務の解消後は、公的支援はほとんど行われていない。赤字や補助金頼みの第三セクター鉄道が多いなか、同社は本業で利益を確保しており、
「第三セクターの優等生」
と見る声もある。ニューシャトルは、特殊な経緯で開業し、当初は厳しい経営が続いた。しかし、今回のランキング結果は、長い年月を経て、県内でも人気路線のひとつとなった現状を示している。