「再開発したのに、なぜ不便なのか?」 小岩駅前“評価3.2”施設が映す、下町再開発の大難題

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2033年まで続く小岩駅前の大規模再開発。しかし、開業した「ファスタ小岩」では空きテナントや複雑な館内動線が目立ち、グーグル評価は3.2に低迷する。下町再開発が抱える現実と、街の個性をどう残すかを追った。

長期計画の課題と周辺との競争

筆者が撮影した写真。2026年4月時点(画像:宮田直太郎)
筆者が撮影した写真。2026年4月時点(画像:宮田直太郎)

 小岩駅周辺の再開発には、この地域ならではの不安材料が多い。

 まず、再開発全体が20年近い時間をかけて進む点だ。サンロードや昭和通りの再開発が完了する2030年代半ばには、2010年代後半から2020年代前半に完成した建物で、大規模修繕や商業施設の改装が必要になる可能性が高い。

 しかし、地権者が多いため、合意形成には多くの時間と費用がかかる。商業施設の改装や住居部分の大規模修繕は、簡単には進まないとみられる。これは、バブル期に建てられた区分所有ホテルやマンションで起きた問題と近い状況であり、十数年後に同じような課題が表面化する可能性もある。そうなれば、テナント誘致はさらに難しくなり、空き店舗が目立つ商業施設と、空室の多いマンションが長く残るおそれもある。

 また、東京都東部では、隣駅の新小岩をはじめ、立石や金町などでも再開発が進んでいる。さらに、市川市や船橋市など千葉県側の商業施設との競争も避けられない。

 こうした周辺地域の商業施設やタワーマンションとの競争を考えると、現在のファスタ小岩の状況では厳しいといわざるを得ない。今後、北口側を含めて再開発を進めるには、今も残る商店街の店の力も生かしながら、小岩という街の魅力をより高めていく必要があるだろう。

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