「再開発したのに、なぜ不便なのか?」 小岩駅前“評価3.2”施設が映す、下町再開発の大難題
2033年まで続く小岩駅前の大規模再開発。しかし、開業した「ファスタ小岩」では空きテナントや複雑な館内動線が目立ち、グーグル評価は3.2に低迷する。下町再開発が抱える現実と、街の個性をどう残すかを追った。
夜の街に漂う空室感と開発の影

下町の再開発の実情を探るには、商業施設だけでなく、マンションの様子も見る必要がある。そこで筆者は、小岩駅周辺を夜にも訪れて状況を確認した。すると、ファスタ小岩の高層階は明かりがまばらだった。多くの人が暮らしているようには見えなかった。
以前取り上げた十条や東京湾岸エリアのタワーマンションと同じように、投資目的で購入され、実際には住んでいない部屋が多いのではないかと思われる。南口では、さらに西側のサンロードや昭和通りも再開発の対象となっている。ただ、完成予定は2030年代とされており、現時点では解体工事などはまだ始まっていないようだった。
一方で、再開発を理由に閉店している店舗もあり、街全体が変化を待っているような印象を受けた。とはいえ、飲食店には多くの客が入り、昭和らしい街並みも残っている。小岩ならではの下町の雰囲気を感じられる場所であることに変わりはない。再開発で建物が変わったあとも、こうした空気感を持つ場所は残ってほしいと感じた。
なお、前述の通り、小岩では北口側でも再開発が進められている。ただ、こちらはまだ開業しておらず、現時点で評価するのは難しい。また、南口のファスタ小岩の状況があまり振るわないことも踏まえ、本稿では南口側のみを対象とした。