「補助金ないなら買いません」 EV市場崩壊でフォード2.9兆円損失、メルセデス・ベンツAクラス継続が突きつけるハイブリッド車の現実

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欧米EVシフトが失速し、主要15か国の電動車販売は3.5%減の199.9万台。フォードは195億ドル損失を計上。補助金依存が崩れるなか、HV需要が再び主導権を握り、日本勢の戦略優位が鮮明となっている。

補助金依存の限界と欧米の政策転換

EV充電イメージ(画像:Pexels)
EV充電イメージ(画像:Pexels)

 欧米が主導してきた電動化政策は、市場原理やインフラ整備との乖離が露呈し、深刻な転換期を迎えている。米国では、2025年後半に電気自動車(EV)購入時の税額控除が廃止された。これまでの普及は補助金によって価格を抑制することで成立しており、自律的な需要よりも政策介入に依存した構造が続いていた。補助金の撤廃は市場の実態を浮き彫りにし、消費者負担の増大と販売の大幅な鈍化を招いた。価格競争力や充電網といった商品力の不足は明白である。

 欧州でも、2035年に予定していた内燃機関(ICE)車の販売禁止が見直され、ハイブリッド車(HV)の継続を認める方針へと転じた。地政学的な変化にともなうエネルギー供給の不安定化や、電力価格の乱高下が運用のリスクとして意識されたためだ。既存のサプライチェーンや熟練雇用の喪失による社会的な代償も大きく、産業界の激しい反発が政策の軌道修正を後押しした。

 市場の実情を欠いた政治主導の電動化は、需要や技術、インフラの均衡を欠いたまま進められた。計画と実社会の乖離は、今や企業の経営基盤を揺るがす大きな負荷となっている。

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