「補助金ないなら買いません」 EV市場崩壊でフォード2.9兆円損失、メルセデス・ベンツAクラス継続が突きつけるハイブリッド車の現実
欧米EVシフトが失速し、主要15か国の電動車販売は3.5%減の199.9万台。フォードは195億ドル損失を計上。補助金依存が崩れるなか、HV需要が再び主導権を握り、日本勢の戦略優位が鮮明となっている。
日本勢の技術的優位と供給網の強固さ

欧米メーカーが戦略の見直しを迫られるなか、トヨタ自動車はHVへの需要回帰を捉え、増産体制を強化している。2028年のHV世界生産台数を670万台に引き上げる計画は、2026年比で約3割の増産に相当する。世界生産に占めるHV比率は5割から6割に上昇する見通しだ。EV需要の鈍化を受け、HVが選択される市場動向を予測した供給体制の整備を進めている。
日本勢の強みは、エンジンとモーター、電池を連携させる統合制御技術の蓄積にある。長年の開発と量産で培われた技術は一朝一夕の習得が困難であり、海外勢にとって参入障壁となっている。トヨタを中心に構築された部品供給網は、品質やコスト、安定性の面で成熟しており、短期間での追従を許さない。
対照的に、欧米メーカーはEVへの巨額投資を回収できないまま、HV開発の再開を迫られるという二重の投資負担に直面している。先行投資の固定費負担が経営判断を鈍らせ、日本勢との格差を広げる要因となっている。HV市場が拡大する局面において、技術と供給網、収益力を兼ね備えた日本勢が優位に立つ可能性が高い。