「日本車は終わるのか、始まるのか」 自動運転で中国・テスラと主導権闘争、勝敗を左右する“国の信頼”首位70%という実績

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2030年代に世界シェア25%を掲げた日本の自動運転戦略が動き出した。2035年に27兆円規模へ膨らむロボタクシー市場、米中対立が強まる中、信頼と安全を武器に主導権を握れるか。官民一体の勝負が始まっている。

政府主導の投資拡大方針

自動運転モビリティサービスの事業化イメージ(画像:日産自動車)
自動運転モビリティサービスの事業化イメージ(画像:日産自動車)

 政府は2026年4月16日、日本成長戦略会議の分科会において、官民投資を呼び込むための工程表案を提示した。重点支援を掲げる17分野のなかでも、特に自動運転や新金属材料、GXケミカルといった34の製品・技術を具体的に絞り込んでいる。

 なかでも自動運転は、2030年代に世界シェア25%という高い目標を掲げた。この方針が示すのは、長年日本の屋台骨であった「ものづくり」の構造を、ソフトウェアやAIを軸とした形へ根本から作り替えるという意思だろう。

 現状を見れば、国内の自動運転はまだ実証実験の域を出ていない。それでも政府が事業化を急ぐのは、既存の市場における立ち位置を、この先も守り抜くためだ。もし市場を米国や中国の企業に独占されれば、通信やデータの安全性が脅かされる。政府が踏み込んだ関与を見せる背景には、こうした切実な危機感がある。

 今回の政策は、技術開発の支援にとどまらない。国際標準の策定や規制の整備といった「ルールづくり」で主導権を握り、産業の主導権を勝ち取るための戦略だ。官民が足並みを揃えて進める革新の行方を追いながら、先行する海外勢に挑む日本企業の姿を展望してみたい。

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