「安ければ何でもいい」 モバイルバッテリーの無自覚な利用が「空の安全」を脅かす! 39%が異常後も使い続ける現実、4月24日新ルールで事態は改善するのか
機内充電禁止と持ち込み2個制限。航空法の新基準は安全対策にとどまらない。保有58.8%、異常後も39.3%が使用継続という実態の下、個人電源への依存が交通全体のリスクを押し上げる。規制と市場、利用者の認識のずれが突きつける課題とは何か。
規制強化と利用者認識の開き

航空法による規制強化が進む一方で、利用者の意識との間に生じた乖離が公共インフラの安全を脅かしている。
航空分野が国際基準に則った厳格な管理へとかじを切るなか、肝心の利用者側における安全認証への理解は心もとない。電気用品安全法が定める「PSEマーク」の意味を理解し、購入時に確認している層は22.5%。対照的に、約6割はその内容すら把握していないのが実情だ。購買行動において最も重視されるのは価格(28%)であり、主流の価格帯も
「2000円から2999円」
という低価格層に集中している。こうした価格偏重の傾向は、利用者が安価さという私的な利益を享受する裏で、発火にともなう運行停止や機体損傷といった巨大なリスクを
「公共交通側へ転嫁している」
構図を浮き彫りにする。市場が安全性をコストとして正しく評価する機能を欠いている以上、製造側による安全投資も加速しにくい。認証を欠いた安価な製品を選択する個人の振る舞いが、航空機の緊急着陸という天文学的な損失を招く可能性を否定できないのだ。
規制という枠組みが先行しても利用者の認識がともなわない現状は、安全確保のコストを一体誰が負担すべきかという重い課題を突きつけている。