「パネルのないトラックは、お荷物だ」 排出シェア2.7%の日本に迫る、世界ルールの包囲構造
世界のCO2排出347億tのうち日本は2.7%。脱炭素が競争条件へ変わるなか、神奈川の3000万円支援や日産実証(1日23km上乗せ)が示すように、物流と車両価値の基準は再定義されつつある。
運輸分野における脱炭素制約条件

前述のとおり、世界全体のエネルギー起源CO2排出量である347億tのうち、日本が占める割合はわずか2.7%に過ぎない。この数字は、国際的なルール作りにおいて日本の立場がいかに厳しいものであるかを如実に物語っている。
神奈川県が進める最大3000万円の補助事業や、カルコパイライト太陽電池の実用化に向けた挑戦は、この不利な状況を押し戻すための具体的な一手だ。また、日産「アリア」が示した「1日23km」の航続距離の上乗せという成果も、数字以上の意味を持つ。配送現場での充電待ちを減らし、車の稼働率を高めるという、目に見える経済的なプラスを証明したからだ。
運輸部門が国内排出量の3分の1を占めている以上、エネルギーを外に頼り切る輸送モデルは、炭素税などのコスト負担によって早いうちに行き詰まるだろう。発電機能を備えた車両をいかに取り入れるか。それは荷主に対する誠実さの証であり、世界のサプライチェーンから振り落とされないための条件でもある。
次世代の太陽電池を使い、エネルギーを自らまかなう環境を整える。この流れは、もはや止めることのできない段階に入った。自力で電気を確保し、コストを抑える術を持たないトラックは、そう遠くない将来、物流という大きな市場から姿を消していくことになるのかもしれない。