「パネルのないトラックは、お荷物だ」 排出シェア2.7%の日本に迫る、世界ルールの包囲構造

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世界のCO2排出347億tのうち日本は2.7%。脱炭素が競争条件へ変わるなか、神奈川の3000万円支援や日産実証(1日23km上乗せ)が示すように、物流と車両価値の基準は再定義されつつある。

モビリティ電源内蔵化の商用移行局面

2021年度温室効果ガス排出・吸収量(画像:環境省)
2021年度温室効果ガス排出・吸収量(画像:環境省)

 環境省がまとめた資料に目を向けると、排出を抑えることと吸収する力を守ることは、切り離せない関係にあることがわかる。

 すでに世界では120を超える国や地域が、2050年までの目標を掲げた。日本の温室効果ガス排出の内訳を追うと、産業や運輸、家庭といった電気を使わない部門が全体の6割を占めている。なかでも運輸部門はその3分の1に及び、ここでの取り組みが停滞すれば、目標の達成は遠のくばかりだ。特に、冷凍機を回し続けるために排出がかさむ低温物流は、もっとも改善が待ち望まれている分野といえる。

 こうした先行きを考えれば、太陽光パネルを載せた車は、これから用途に合わせてじわじわと広がっていくだろう。エネルギーを多く使う仕事ほど、自前で電気を作る力がそのまま稼ぐ力に結びつく。燃料代や炭素にかかるコストの波をまともに受け、外に頼り切るような経営では、いずれ利益を保てなくなる日が来る。

 自分の力で発電できることは、荷主から「選ばれ続ける」ための外せない条件になっていく。エネルギーを外から買い、ただ消費するだけの輸送の仕組み。それは将来、市場から身を引くことを迫られる、厳しい道へとつながっているのかもしれない。

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