「パネルのないトラックは、お荷物だ」 排出シェア2.7%の日本に迫る、世界ルールの包囲構造
世界のCO2排出347億tのうち日本は2.7%。脱炭素が競争条件へ変わるなか、神奈川の3000万円支援や日産実証(1日23km上乗せ)が示すように、物流と車両価値の基準は再定義されつつある。
物流インフラ再設計の試行領域

車体に太陽光パネルを載せる動きは、いまや国内外で勢いを増している。
スウェーデンの商用車大手スカニアは、2023年にパネル付きトラックの公道試験を明らかにした。こうした試みは乗用車の世界も例外ではない。日産の欧州部門が披露した「アリア」のコンセプトモデルでは、太陽光による発電だけで1日あたり最大23kmの航続距離を上乗せできるという。この「23km」という距離。一見短く思えるかもしれないが、充電のために配送の手を止める回数を減らせるとなれば、現場の稼働率を高める確かな利益につながる。
こうした流れは、もはや研究室のなかだけの話ではなく、市販化の段階にまで進んでいる。トヨタは2019年に公道での実証を終え、すでに「bZ4X」にパネルをオプションとして用意した。2025年のジャパンモビリティショーでも、日産が軽電気自動車(EV)「サクラ」にスライド式のソーラー機能を備えた試作車を出展して注目を集めている。
自動車メーカーがカタログに載る装備として提示し始めたという事実は、この機能が当たり前の性能になる未来を予感させる。自力で発電できない車は、将来、中古車市場で価値が大きく下がり、手放そうにも手放せない負債になる恐れすらある。
外部からのエネルギー供給に頼り続けるリスクをいかに遠ざけるか。その性能こそが、これからの商用車の価値を決める新たな物差しになっていくだろう。