「真面目に払ったら会社が潰れる」 運送業界などに広がる社保料・税金滞納倒産! 2025年度221件で過去2番目の高水準
帝国データバンクの調査で、2025年度の社会保険料・税金滞納を起点とする倒産は221件と過去10年で2番目の高水準に達し、その97%が破産に直結。運輸・通信業も26件に上り、物流業の資金繰り崩壊が鮮明となっている。
向き合うべき課題

課題は、何よりもまず、運賃が社会保険料や税金といった公的な負担を賄える水準に達しているか、という点に尽きる。働く人の生活を支える費用をないがしろにした価格で取引が行われていないか。その実態を真剣に見つめ直さなければならない。
納税と社会保険の支払いを続けながら、さらに将来に向けた投資までを可能にする市場の仕組みが整っているか。今のまま、公的な負担を削ることで成り立つ不当な安値が放置されれば、
「決まりを誠実に守る優良な企業」
ほど市場から追い出されるという結果を招くだけだ。社会が物流という基盤を使い続けるために、必要な費用を誰がどのように分担すべきなのか。その現実を明らかにする必要がある。
運賃に適正なコストを乗せること。これこそが、滞納という名の破綻を防ぐための確かな道筋となるだろう。
制度の面では、適切な運賃の支払いを確実なものとするために、より強い力を持たせるべきではないか。経済の面では、社会保険料や税金といった必ず発生する費用をあらかじめ織り込んだ価格形成へと、根本から変えていかなければならない。また、デジタルの力を使い、人件費にともなう法定福利費が
「削ることのできない客観的な数字」
であることを示し、不透明な取引を正していくことも求められる。物流を安価なサービスと見なす時代は終わった。これからは
「社会を維持するための公的なインフラ」
として捉え直し、その維持にかかる費用を荷主が直接負担する仕組みを整えるべきだろう。交渉を価格の叩き合いに終わらせてはならない。それを社会保障制度を支えるための適正な分担として位置づける。その姿勢こそが、物流の崩壊を食い止める手立てとなるはずだ。