「アフィーラ」はこのまま消えてしまうのか? ホンダ最大2.5兆円損失で崩れた連携、分業モデルの限界とソニーの岐路
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ホンダがEVで最大2.5兆円の損失を見込み、主力開発を打ち切った。アフィーラは生産の前提を揺るがされ、純損失は518.6億円に拡大。分業モデルの限界が露呈するなか、ソニーは“車”を超えた収益の道を描けるか。
移動中の価値拡張という視点

アフィーラの開発中止は、ソニーのEV事業にとって大きな転機となった。これまでホンダと築いてきた枠から離れ、ソフトの土台を自ら握る構想へとつながっていく。今回の判断は、ソニーがソフト分野へ踏み出す流れを後押しするものでもある。アフィーラという名の車が残るかどうかは、本質ではない。焦点は、車そのものではなく、移動する人にどのような体験を届けるのかに移りつつある。
この先10年の競争で問われるのは、移動の時間のなかで、
「人の力」
をどこまで広げられるかである。ホンダがEV分野で最大2.5兆円の損失を見込むように、ものづくりの重さが負担となるなか、ソニーは物理的な制約に縛られない情報の側から成長を探る必要がある。特定の完成車メーカーとの関係に寄りかからず、どの車にも載せられる知能へと広げていく。その方向に進めば、2025年3月期に518.6億円まで膨らんだ純損失を抑え、安定した収益の土台に近づくだろう。
アフィーラという形にとらわれず、車内の情報を巡る主導権を握る存在として歩み出せるかどうか――そこが、将来の立ち位置を左右することになるだろう。