「アフィーラ」はこのまま消えてしまうのか? ホンダ最大2.5兆円損失で崩れた連携、分業モデルの限界とソニーの岐路
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ホンダがEVで最大2.5兆円の損失を見込み、主力開発を打ち切った。アフィーラは生産の前提を揺るがされ、純損失は518.6億円に拡大。分業モデルの限界が露呈するなか、ソニーは“車”を超えた収益の道を描けるか。
役割分担で進めた共同体制

ソニーとホンダの提携は2022年3月に公表された。両社は役割を分け、ホンダがオハイオ州の生産拠点と次世代EVの土台を担い、ソニーが世界シェア首位の画像センサーや娯楽分野の資産を持ち寄る。そうした分業の体制である。ハードを情報を受ける器と捉え、移動を体験の価値へと移していく狙いがあった。
2022年9月に発足したソニー・ホンダモビリティは、翌年1月の世界最大のテクノロジーの見本市「CES」で試作車を公表した。ソフトが車の価値を左右するソフトウェア定義車両(SDV)の姿を示したもので、従来の枠に収まらない新しさがあった。
2025年1月には第1弾のセダン「アフィーラ1」の米国での予約を始め、2026年中の納車に向けて量産直前までこぎ着けていた。価格は8万9900ドル(約1400万円)からと高い。ただ、その内訳は走りの性能だけではなく、車内で得られる体験への対価を見込んだものでもある。
2026年1月のCESでは第2弾のスポーツタイプ多目的車(SUV)を公表し、2028年以降にはより手の届きやすい価格帯での投入も視野に入れていた。40個を超えるセンサーは安全な走行にとどまらず、乗る人の感情や状態を捉え、車内での体験を整える役割を担う。移動の場そのものに価値を持たせる。その実現が、事業の柱とされていた。