日本車メーカーは台湾の“下請け”に落ちるのか? 鴻海が組み替える日本のものづくりと「中身は鴻海、外側は日本ブランド」構図

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三菱電機モビリティ(売上約8000億円)を巡り、鴻海が出資協議に浮上。EV化の進展とともに、完成車開発の主導権が日台連携のもとで揺らぎ始めている。ブルームバーグは2026年1月の入札動向も報じた。

鴻海出資交渉の行方

鴻海・モデルD(画像:鴻海精密工業)
鴻海・モデルD(画像:鴻海精密工業)

 2026年3月16日、三菱電機が子会社の三菱電機モビリティについて、台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)との間で出資受け入れに向けた協議を進めていると、複数のメディアが報じた。

 三菱電機は2023年4月に事業の見直し方針を示し、組織の切り分けを進める方針を打ち出していた。採算が厳しくなっていたカーナビ事業からは撤退し、電動化や先進運転支援システム(ADAS)を成長領域に据えながら、外部企業との連携を探ってきた経緯がある。

 その後、2024年4月には自動車機器事業を「三菱電機モビリティ」として分離し、売上規模は約8000億円に達する事業体となった。扱いについては2025年度中に結論を出す予定とされていた。内燃機関向け部品と電気自動車(EV)向け部品の構成を見直しながら、従来の部品供給メーカーという枠からの移行が進められている。

 デジタル領域と電動化を組み合わせた「つなぐ」かたちのサービス企業を志向する一方で、自社で生産体制を抱え続ける負担や、先行きの見通しの不確かさは重くのしかかる。ものづくりの現場をどこまで内部に残すのか、それとも外部との関係に寄せていくのか。その揺れのなかで、投資や開発の速度で先行する海外大手に対抗するには、従来の形にとどまるよりも生き残りを優先せざるを得ない状況がにじむ。

入札から出資交渉への急転

左から鴻海精密工業・董事長 劉揚偉氏、三菱電機・執行役社長 漆間啓氏(画像:三菱電機)
左から鴻海精密工業・董事長 劉揚偉氏、三菱電機・執行役社長 漆間啓氏(画像:三菱電機)

 ブルームバーグは2026年2月24日、三菱電機の自動車機器事業の売却をめぐる一次入札が2026年1月下旬に行われ、米投資ファンドのベインキャピタルやローンスターなどが二次入札へ進んだと報じた。

 その流れは一見すると、金融主導で整理が進む局面にも見えたが、その後わずか3週間ほどで状況は大きく動く。三菱電機と鴻海精密工業による折半出資へと急速に傾いていった。

 両社は2025年11月、AIデータセンター向けソリューションの世界供給に関する協業覚書を結んでおり、その後も水面下で関係を深めてきた経緯がある。

 短期的な収益回収を重視する投資ファンドとは対照的に、鴻海が視野に入れているのは産業全体の接続構造そのものだとみられる。鴻海は三菱電機モビリティが持つ電力制御の高度な技術を、自社のAIサーバー技術と組み合わせることで、移動する計算資源としての自動車領域を押さえようとしている。

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