自工会が掲げる「新7つの課題」の空白地帯 自動車産業は人々を惹きつける基幹産業であり続けられるのか

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2030年代に労働人口が20%減少する自動車産業。AI・ロボットで生産性向上を図る試みが進む一方、デジタル人材確保や若者のブランド離れが課題となり、基幹産業の持続性が問われている。

自工会新体制の始動

自工会会長・佐藤恒治氏(トヨタ自動車 代表取締役社長)(画像:日本自動車工業会)
自工会会長・佐藤恒治氏(トヨタ自動車 代表取締役社長)(画像:日本自動車工業会)

 日本自動車工業会(自工会)は2026年3月19日、1月に発足した新体制として初めて記者会見を開き、正副会長7人が登壇した。冒頭で佐藤会長は、重点課題とする「新7つの課題」に取り組む方針や進捗を説明した。

 質疑応答では、副会長の鈴木氏や三部氏が課題の進め方に関する手応えや懸念を示し、混乱する国際情勢がもたらすサプライチェーンのリスクや、人材基盤の強化など、幅広いテーマに質問が寄せられた。

「新7つの課題」のうち、第4の課題である「人材基盤の強化」は、全項目で唯一「検討中」とされた。自工会はこれについて、

「安定した開発・生産・販売・サービスに向けて、継続的に人材が確保・育成される仕組みを構築」

という方向性を示している。具体策が示されなかった背景について、佐藤会長は労働力不足の深刻さと、求められる人材の多様化を挙げた。

 この空白は、機械加工中心の組織からソフトウェア中心の体制に移るなかで、従来の評価制度や雇用の枠組みが限界に達している現状を反映している。従来の組織運営と、新たな競争力となるデジタル人材の確保という性質の異なる課題がぶつかり合い、方針の具体化を遅らせている。

 本稿では、日本の基幹産業のひとつである自動車産業の人材基盤に焦点をあて、減少する労働人口のなかでの課題を掘り下げ、産業の将来像を探る。

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