「既得権益だ」「買い物にいけない」 東京のタクシー値上げ、アリかナシか? 約10%改定とライドシェア論争、ネットの声とともに読み解く
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東京のタクシー運賃が約3年ぶりに改定され、多摩地区で初乗り距離は1.091kmから1kmへ短縮、加算間隔も短縮された。23区でも約1割の値上げが見込まれ、改定率は約10.14%に達する。料金表示を据え置きながら実質的な負担が増すなか、増収分の行方と現場還元の実態が問われている。
増収の行き先

政府や国土交通省は、労働環境の改善を名目に運賃改定を認めた。しかし、増収分が誰の手元に残るかが問題だ。
まず、燃料価格の高騰が利益を削る。ネット上には
「米国のイラン攻撃で燃料が15%以上高騰し、値上げしても燃料費に消え、人件費まで回らない」
との厳しい予測が出ている。車両の主流であるLPガスも値上がりが激しく、このままでは倒産する会社が続出するのではとの懸念もある。
次に、配車プラットフォームの手数料が収益を圧迫する。現場では
「キャッシュレス決済手数料は3%、加えてアプリ手数料でも数%。前回の値上げ以降、手数料やランニングコストで1割ほど経費が増えている」
と指摘される。デジタル化による負担は増す一方だ。
タクシー会社は燃料費の高騰や保険料、アプリ手数料の増加分を補うため、利益を優先的に確保する。ネット上でも
「今回の値上げでドライバーに直結する会社は少なく、ほとんどは会社に回収される」
という冷めた見方が目立つ。
現場も厳しい。ドライバーの平均年収は502万円で、全産業平均の644万円を140万円以上下回る。ネット上の現役ドライバーからは
「値上げで会社の収入は増えるが、歩合は下げられるため給与は据え置き。増収分は会社に回る」
との声もあり、利益優先で現場への還元が進まない実態がある。改定で得られる資金の多くは、エネルギー価格の変動やIT基盤の維持費、会社組織の防衛に流れ、現場を支える労働者にはほとんど残らないと考えられる。