「既得権益だ」「買い物にいけない」 東京のタクシー値上げ、アリかナシか? 約10%改定とライドシェア論争、ネットの声とともに読み解く

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東京のタクシー運賃が約3年ぶりに改定され、多摩地区で初乗り距離は1.091kmから1kmへ短縮、加算間隔も短縮された。23区でも約1割の値上げが見込まれ、改定率は約10.14%に達する。料金表示を据え置きながら実質的な負担が増すなか、増収分の行方と現場還元の実態が問われている。

埋まらない温度差

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 ネット上の声と現場の認識には埋めがたい乖離がある。ネットでは

「タクシーはセレブが乗る乗り物かもしれない」
「庶民には敷居が高い」

といった拒絶や、現状への批判が目立つ。一方で現場のドライバーは

「嘔吐や放尿、事故といったリスクを抱え、働かないと収入ゼロ。ハイリスク低リターンだ」と訴える。

なかには「貧しい人は歩け」と突き放す言葉もあり、精神的な摩耗の深刻さがうかがえる。

 この温度差の背景には、運賃がどこに流れているのかわかりにくい不透明な仕組みがある。利用者にとってタクシーは生活のインフラだが、ネット上では「歩ける距離なら健康のためにも歩くべきだ」と冷ややかな意見も少なくない。

 前述の年収格差は、利用者側の「高い」という感覚と、供給側の「これでも生活が苦しい」という切迫感のズレを広げる。改定が、誰の生活を支え、誰の移動を奪うのかという議論は置き去りにされ、双方の不信感だけが膨らんでいるのだ。

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