成長を阻む三要素――水・エネルギー・教育の壁【短期連載】インドは自動車産業にとって桃源郷となり得るのか(4)

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GDP世界4位・市場3位のインドは有望だが、水はひとり当たり1486tへ低下、電力ロス19.4%と基盤の弱さが残る。トヨタの資源データも踏まえ、水・電力・人材の課題が成長の制約となる現実を検証する。

巨大市場と基盤の格差

インド自動車産業 成長の課題。
インド自動車産業 成長の課題。

 インドは自動車産業にとって大きな成長余地を持つ国である。国内総生産(GDP)は日本を上回り世界第4位となる見通しで、自動車市場も世界第3位の規模に達している。こうした数字から見れば巨大市場であることは確かだが、水・エネルギー・人材の面では先進国との間になお差がある。インドの力を引き出すには、これらの課題への対応が不可欠であり、その多くは政治や制度が絡み、解決には時間を要する。

 一方で、インドでは富裕層と中間所得層が人口の約40%を占めるとされる。人数に換算すると約5.6億人に達し、短期的な市場として見れば自動車メーカーにとって十分に魅力がある。ただし、この規模だけでは潜在力を十分に生かしたとはいい難い。持続的な成長と産業基盤の強化を実現するには、水・エネルギー・人材の課題に同時に向き合い、市場と生産拠点の両面を育てていく姿勢が求められる。

 日本もこれまで政府開発援助(ODA)を通じて支援を続けてきた。その結果、インドは2003年以降、日本にとって最大の援助対象国となり、日本はインドにとって最大のドナーとなっている。ただし支援の中身を見ると、高速鉄道や道路整備の比重が大きい。使途の決定には制約があるものの、水・エネルギー・人材の底上げにつながる支援の余地は残されている。いずれにしても、これらの課題に対応しなければ、インドで自動車産業が安定して成長するまでの道のりは長いだろう。

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