成長を阻む三要素――水・エネルギー・教育の壁【短期連載】インドは自動車産業にとって桃源郷となり得るのか(4)

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GDP世界4位・市場3位のインドは有望だが、水はひとり当たり1486tへ低下、電力ロス19.4%と基盤の弱さが残る。トヨタの資源データも踏まえ、水・電力・人材の課題が成長の制約となる現実を検証する。

配電部門に残る課題

インド(画像:Pexels)
インド(画像:Pexels)

 インドでは、電力供給の不安定さが海外企業の進出を妨げてきた。2014年に発足したモディ政権による電力改革は成果を上げ、需給ギャップはほぼ解消している。一方で、電力分野には課題が残る。焦点は送配電網の整備と制度にある。インドでは発電と配電がわかれており、特に配電部門の問題が大きい。

 総合損失率(AT&Cロス)は2023年に19.4%まで低下したが、日本の5%未満と比べると依然として高水準だ。送配電インフラの弱さによる損失に加え、料金未回収や盗電も残っている。さらに、大口需要家への自家発電の義務付けや、工業・商業向けと家庭・農業向けの料金差といった制度面の課題もあり、配電会社によるインフラ改善が追いついていない。

 農業向け電力の優遇は地下水の過剰な汲み上げを招き、水不足を悪化させる一因にもなっている。工業化や近代化には送電網の整備が欠かせないが、世界的な送電線需要の高まりが整備の遅れにつながっている。発電容量は確保されているものの、工場誘致や今後のEV普及を見据えると、送配電インフラと制度の改善が急がれる。電力が成長の制約となる可能性もある。自動車メーカーは工場立地の際、各州の制度や送電状況を踏まえ、エネルギーの組み合わせを検討する必要がある。

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