「やっぱり、この名前を待っていた」――ホンダの名車「インサイト」復活、EV限定3000台、逆境こそ進化の原動力となるか
ホンダは中国製EV「新型インサイト」を限定3000台で日本導入。2.5兆円の北米EV損失を経て、既存資産の実利活用と走行データ収集に挑む、ブランド復活と次世代収益モデルへの戦略的布石。
国内市場投入の号砲

ホンダが新型インサイトを国内市場に投入する2026年春は、市場環境の好転と重なっている。2026年2月の国内EV販売は7790台に達し、前年比で
「77%増」
と大幅に伸びた。トヨタ・bZ4Xや日産・リーフB7が需要を刺激し、3月以降には日産・リーフB5やスズキ・eエブリイも発売される。
各社の新型EV登場で選択肢は広がるが、限定3000台という規模は控えめに見える。その背景には、中国事業の立て直しや国内市場での実地検証といった重要な狙いがある。
市場は車両の基本性能を競う時代から、ソフトウェアが価値を決める「つながる車」の時代へと移った。2.5兆円という巨額の損失見通しは、従来の製造体制に見切りをつけ、新しい収益モデルへ移行するための痛みをともなう決断の結果である。
新型インサイトは、実際の走行データや利用動向を収集し、次世代開発に活かす情報源として機能する。この一台から得られる知見こそが、ホンダが新しい時代へ歩み出すための確かな土台となる。