「やっぱり、この名前を待っていた」――ホンダの名車「インサイト」復活、EV限定3000台、逆境こそ進化の原動力となるか

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ホンダは中国製EV「新型インサイト」を限定3000台で日本導入。2.5兆円の北米EV損失を経て、既存資産の実利活用と走行データ収集に挑む、ブランド復活と次世代収益モデルへの戦略的布石。

限定販売の狙い

ホンダ・0シリーズ(画像:本田技研工業)
ホンダ・0シリーズ(画像:本田技研工業)

 ホンダの国内販売では、軽自動車が4割超を占めており、EVも軽を優先してきた。現在販売中のEVは「N-ONE e:」と「N-VAN e:」の2車種にとどまる。かつての乗用EV「ホンダe」は、航続距離が259kmと実用面で制約があるうえ、495万円という価格も重なり、累計販売は2千台に届かず、2024年1月に販売を終了した。

 新型インサイトを限定3000台としたのは、販売店が新しい業務に慣れる猶予を設け、現場の混乱を避ける狙いがある。関東のショッピングモールやホンダカーズ10店舗で特別展示を行うのは、消費者の関心を高めるだけでなく、販売スタッフが新しい説明技術を身につける場にもなる。これは2027年の「アフィーラ1」など、将来の本格展開を円滑に進める布石である。

 車を売って終わりにするのではなく、通信による機能追加や継続課金といった新しい収益モデルを定着させるには、現場での経験が欠かせない。3000台という規模は、経営上の不測の事態を避けつつ、将来に必要な運営能力を高めるための数字といえる。

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