「やっぱり、この名前を待っていた」――ホンダの名車「インサイト」復活、EV限定3000台、逆境こそ進化の原動力となるか

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ホンダは中国製EV「新型インサイト」を限定3000台で日本導入。2.5兆円の北米EV損失を経て、既存資産の実利活用と走行データ収集に挑む、ブランド復活と次世代収益モデルへの戦略的布石。

中国で苦戦するEVシリーズ

ホンダ・イエS7、イエGT CONCEPT、イエP7(画像:本田技研工業)
ホンダ・イエS7、イエGT CONCEPT、イエP7(画像:本田技研工業)

 ホンダが中国で展開するEV専用ブランドには、イーエヌのほか、2024年に導入した「●(※火へんに華)(イエ)」もある。イーエヌは「心動 未体験EV」をコンセプトに、乗る人の心を揺さぶる新しい価値を取り入れている。一方のイエは、次世代EVの象徴として新たなHマークを採用した。これは、エンジン車を主軸としてきた歴史を超え、ソフトウェアを中心に据える企業へと変わる決意を示している。

 ホンダは、2027年までにイーエヌとイエで計10車種を投入する計画だ。現時点ではイーエヌ4車種とイエ1車種の計5車種にとどまり、残り5車種の投入が計画通りに進むかは不透明である。背景には、中国でのEV販売の不振がある。ホンダの2025年中国販売台数は前年比24.3%減の約65万台で、トヨタや日産と比べて後れを取った。EV販売は1.8万台にとどまり、ピークだった2023年から2割ほど落ち込んだ。

 中国市場では現地メーカーの台頭が著しく、外資メーカーのシェアは伸び悩んでいる。しかし、この過酷な市場で培った経験は、現地の部品供給網や効率的な開発手法を日本で活用する際に力を発揮する。ホンダは現在の苦境を、中国発の資産を国内に移して競争力を高める機会ととらえている。

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