「一社では、もう勝てません」 1位トヨタ、追撃BYD、GM・ヒョンデ連合――2025年世界販売ランキングに映る“集団戦”の転換点

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2025年の世界自動車市場は、単純な販売競争の時代を終えた。トヨタ1132万台、VW898万台、BYD460万台と上位10社は、規模よりも提携力と投資余力で勝敗が決まる、新たな競争段階に突入している。

スズキとVWの対照的な戦略

インドでのBEV「e VITARA」の出荷開始記念式典(画像:スズキ)
インドでのBEV「e VITARA」の出荷開始記念式典(画像:スズキ)

 スズキとマルチの提携は、中国資本への委託よりも一歩進んだ協力体制を築いている。インド市場に特化した開発を貫き、現地で生産した車両を日本へ逆輸入する流れを確立した。日本の軽量化技術をマルチ・スズキの小型車に移転し、国境を越えた強固な基盤を作り上げている。

 近年は、ソフトウェアが車両の価値を決める傾向が強まり、開発を外部に委ねる動きが加速している。VWは米国の新興EVメーカー、リビアンと次世代基盤を共同開発するため、58億ドル(約9000億円)を投じた。自社ソフト部門の行き詰まりを認め、外部の知見を取り込むことで、2027年を目途に2万ユーロ(約368万円)の低価格小型EV投入を目指す。ハードウェアの規模がソフトウェアの進化に追いつかない現実を、資金力で補う姿勢が鮮明である。

 対照的にBYDは、電池や半導体、OSまでを自社で抱える垂直統合を貫き、自社開発に固執する。内製化はコスト面で優位だが、進化の速いソフトウェア分野まで単独で追随できるかは未知数だ。

 業界全体が外部との連携を強めるなか、BYDの自前主義が独自の生態系として成功するのか、それとも孤立を招くのか。結果は今後のランキングに色濃く反映されるだろう。

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