「手柄を横取りする課長」「部下を利用する部長」上司の“出世欲”を断罪しても全く意味がない理由【連載】上司ガチャという虚構(7)

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昇進意欲が高い管理職の下で働く部下は、不満や虚しさを抱きやすい。マイナビ調査(2025年)では課長・部長クラスの昇進意欲は6割超。だが、上司の権限や影響力を理解し、自らの立場を戦略的に築けば、信頼できる実務担当者として引き上げられる可能性も高まる。

昇進意欲の活用可能性

昇進の祝福イメージ。
昇進の祝福イメージ。

 以上を踏まえると、問いは明確になる。上司の昇進意欲は、本当に自分にとって排除すべき存在なのかという点だ。見方を変えれば、それは活用できる要素でもある。上司が昇進すれば、より大きな予算を動かす立場となり、人事への影響力も強まる。他部署との交渉力も高まる。その影響は、部下の立場にも及ぶ。

 組織論やキャリア研究では

「スポンサーシップ」

という考え方がある。助言を与えるメンターとは異なり、スポンサーは実際に引き上げる力を持つ存在を指す。権限や影響力を持たない上司にその役割は果たせない。昇進を目指し、実際に力を得た上司こそが、部下の機会を広げる立場に立つ。

 重要なのは、感情的に反発することではなく、自らの立ち位置をどう築くかだ。上司に過度に迎合する必要はないが、互いの利益が重なる形を意識することは現実的な選択である。

 たとえば会議では、結論部分を上司に委ねる一方、分析や具体策の説明は自ら担い、実務能力を示す。資料でも責任者として上司の名を立てつつ、作成者として自分の関与を明確にする。これはへつらいではなく、役割分担の明確化である。上司には成果を主導したという実感を与え、自身は実行力への評価を積み重ねる。

 そうした関係が築ければ、上司が昇進する局面で、信頼できる担当者として引き上げられる可能性は高まる。それは感情論ではなく、組織内での合理的な判断の帰結である。

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