「使いにくかったと認めます」 JR東日本が異例の自省――評価1.7の「えきねっと」に自らメス、新アプリは客離れを食い止められるか?
会員1000万人超、アプリ評価1.7。老朽化した「えきねっと」をJR東日本が自ら否定し、予約手順を21から4へ削減する「JRE GO」に踏み切る。狙いは利便性向上だけではない。Suica軸で紙きっぷを縮小し、収益と顧客接点を取り戻す構造転換の一手である。
紙のきっぷからの戦略的撤退

えきねっとのアプリは「チケットレス」をうたうものの、実際には名ばかりの面があった。eチケットが使えない区間では、最後はやはり駅で紙のきっぷを受け取らなければならない。そんな不自然な仕組みが、利用者の不満を招いてきた。新しく始まる「JRE GO」がJR東日本のエリアだけに範囲を絞り、交通系ICカードに頼る形に振り切ったのは、こうした矛盾を整理したかったからにほかならない。
この変化の裏には、駅の設備を保つための重い負担を軽くしたいという狙いも透けて見える。磁気のきっぷを読み取る改札や券売機は傷みが早く、その手入れには驚くほどのお金がかかってきた。ICカードへの移行を促すことは、窓口や機械を減らして駅の運営を身軽にするための土台作りだ。これまで通勤や買い物に使われてきたSuicaを、長距離の旅に欠かせない道具へと塗り替えていく意志がうかがえる。
あえて機能を絞ってまで利便性を磨き上げたのは、人々の動きをデジタルへ移し、そこから集まる情報を日々のサービスへつなげるためだ。これが実を結べば、移動と支払い、さらには駅周辺での買い物がひとつに溶け合うような大きな暮らしの圏内ができあがる。古いやり方を改め、駅のあり方を新しく描き出すきっかけになるか。その行方に期待がかかる。