「使いにくかったと認めます」 JR東日本が異例の自省――評価1.7の「えきねっと」に自らメス、新アプリは客離れを食い止められるか?
スマホ時代と組織構造のねじれ

2000(平成12)年に始まった「えきねっと」は、20世紀最後の年に生まれた仕組みのまま、2026年の今も私たちを戸惑わせている。この26年の間に、人々の手元にはパソコンと同じくらい動くスマホが広まった。スティーブ・ジョブズがiPhoneを世に送り出して以来、常にネットにつながり、指先で画面を操る生活は当たり前のものになった。パソコンを持たず、すべてをスマホで済ませる人も今は多い。
それなのに、画面の作りが追いついていない。パソコンは横長だが、スマホは縦に長い。パソコン用の画面を無理やりスマホに映せば、使いにくくなるのは目に見えている。延々と下まで指を動かさないと情報が読み取れないという不評は、今の時代の見え方に合わせられていない証拠だろう。アプリ版の評価が、5点満点のうち1.7(レビュー数2445件)という低い数字に留まっているのも、利用者の正直な気持ちの表れだ。
なぜここまで使いにくいのか――その根っこには、日本中のややこしい運賃計算をひとつの巨大な仕組みで無理に片付けようとし、中身が膨れ上がりすぎた事情がある。2024年までふたつの名前(ID)を使い分けさせていたことも、登録をより面倒にしていた。2025年から「JRE ID」へのまとめが進んでいるものの、入り口の画面にはいまだに古い項目が先に居座っている。
カードを登録するたびにアプリから別の画面へ飛ばされ、メールを確認して番号を入れる。こうした手間は、古い土台に新しいスマホ向けの機能を無理やり継ぎ足したことで生まれた歪みだ。部署ごとに守る範囲が分かれているために、使う人の気持ちを一番に考えた手直しがなかなか進まなかった。予約をひとつの場所でさっと終えられない今の形は、組織の壁がそのまま使い手の負担になっている姿を映し出している。