「使いにくかったと認めます」 JR東日本が異例の自省――評価1.7の「えきねっと」に自らメス、新アプリは客離れを食い止められるか?

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会員1000万人超、アプリ評価1.7。老朽化した「えきねっと」をJR東日本が自ら否定し、予約手順を21から4へ削減する「JRE GO」に踏み切る。狙いは利便性向上だけではない。Suica軸で紙きっぷを縮小し、収益と顧客接点を取り戻す構造転換の一手である。

“最短1分”への再設計

JR東日本のプレスリリース(画像:JR東日本)
JR東日本のプレスリリース(画像:JR東日本)

 今秋に始まる「JRE GO」が目指すのは、迷う暇もなく1分ほどで予約を終えられる体験だ。目を引くのは、JR東日本が「えきねっと」への厳しい評価を隠さず表に出したことだろう。1000万人を超える会員を抱えながらも、登録が遅い、比べにくい、直前の変更がしにくいといった不評が絶えなかった事実を、作り手自らがプレスリリースで認めている。

「「えきねっと」は1000万人を超えるお客さまにご利用いただいています。しかし2001年のサービス開始以来、「会員登録に時間がかかる」「列車の比較に手間がかかる」「直前の予約変更が難しい」「サイトの操作が重く(遅く)感じる」といった、改善を求めるご意見を数多く頂戴してきました。そこで、これらのご意見に応えるべく、全く新しい発想のもと、お客さまのニーズに即応することを目指す新しい予約サービス、JRE GO をスタートさせます」

こうした切実な課題に向き合い、新しい窓口を設けることにしたわけだ。

 看板サービスの弱みを自ら並べ立てるのは、かなり珍しい。だが、裏を返せば、使い勝手の悪さが客離れを招くという強い焦りがあるのだろう。最短1分での予約完了を掲げる裏には、これまでの考え方を根っこから変える決意が見て取れる。

 まず手をつけたのが、最初の手続きだ。新幹線を使う人の約半分は年に1、2回ほどしか乗らず、当日に慌てて予約することも多い。これまでの仕組みでは使い出すまでに21もの手順を踏まされたが、今度はこれを四つにまで絞った。たまにしか乗らない人でも、迷わず使いこなせる形に整えたのだ。

 探し方も大きく変わる。これまでは候補が三つしか出ず、混み合う時期には何度も画面を切り替えて空きを探さなければならなかった。今度はすべての列車を一度に並べ、座席表や連結の様子まで詳しく見られるようになる。使う人の負担を軽くすると同時に、空き状況をはっきり見せることで、特定の列車に人が固まるのを避ける意図もうかがえる。

 変更や払い戻しの手間も削ぎ落とした。これまでは自分の予約を出すまでに時間がかかり、乗る直前だと間に合わないこともあった。今度は最初の画面から自分の予約へすぐ飛べるようにし、急な予定にもすぐ応じられるようにしている。切符を売って終わりにするのではなく、旅が終わるまで客に寄り添う姿勢へとかじを切った。

 もっとも、このサービスはSuicaなどの交通系ICカードが欠かせず、紙の切符は出せない。そのため、使えるのはJR東日本のエリア内に限られてしまう。全国の新幹線をまとめて取れるという点では、まだ「えきねっと」の方に分があるだろう。

 だが、この割り切りこそが使い手の不満に応えた結果といえる。あれもこれもと欲張るのではなく、デジタルで完結できる範囲に絞ることで、淀みのない操作を守り抜こうとした。これは見た目を変えるだけの話ではない。鉄道会社が客に届ける価値そのものを、もう一度作り直そうとする大きな歩みなのだ。

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