「EVの充電は後回しでいい」 電力不足が迫る日本、巨大データセンター優先でクルマは社会の“手足”として扱われるのか
データセンター市場の先行きに64%が前向きと答える一方、29%がエネルギー問題を最大の壁と指摘。EV普及とデジタル化の同時進行は、限られた電力を誰がどう使うかという国家的判断に直結している。
末梢組織としての車

前述のとおり、データセンター市場の先行きに明るさを感じている人は64%にのぼる。一方、地球環境の保護を重視する人は71%に達した。しかし、29%が最大の壁としてエネルギー問題を挙げている。この数字は、私たちに向けられた明確な警告である。
EVの普及は、もはやクルマだけの問題ではない。限られた国の電力をどの産業にどれだけ配分するかという、大きな国家判断に直結している。デジタル化とクルマの電動化を同時に進めるには、個別の業界を助けるだけでは足りない。電力という共通の資源を土台に、社会全体のあり方を見直す必要がある。
問題は、電力が足りないことではない。足りなくなることが予測されるのに、現行の仕組みを放置していることが本質的な問題だ。クルマはもはや単独で存在するものではなく、巨大なデータセンターを「頭脳」とする際の「手足」のような末梢組織になりつつある。限られた電力を奪い合う状況で、クルマが価値を認められ続けるためには、社会全体の流れの中でその役割を改めて見つめ直す必要があるのだ。