「EVの充電は後回しでいい」 電力不足が迫る日本、巨大データセンター優先でクルマは社会の“手足”として扱われるのか

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データセンター市場の先行きに64%が前向きと答える一方、29%がエネルギー問題を最大の壁と指摘。EV普及とデジタル化の同時進行は、限られた電力を誰がどう使うかという国家的判断に直結している。

持続可能性71%の裏側

データセンターのイメージ(画像:写真AC)
データセンターのイメージ(画像:写真AC)

 環境への配慮を重要だと考える人は71%にのぼる。しかし、事業の規模拡大と環境保護を両立できると自信を持つ人は55%にとどまる。冒頭のとおり、この16ポイントの差は、理想と現実が大きくかけ離れていることを示す。

 誰もが地球に優しい仕組みを求める一方、その実現は容易ではない。太陽光や風力といった自然の力による発電は、天候によって送電量が大きく変動する。対して、人工知能を動かすデータセンターは44%が「ティア3」、22%が「ティア4」と呼ばれる高い安定性を必要とし、一瞬の停電も許されない。

 不安定な自然電力を無理に安定させるには、予備電源の確保などで莫大な費用がかかる。その結果、クリーンな電力は、高い費用を支払える限られた組織だけが利用できる特別な資源になっていくだろう。

 EVも、環境に優しいという価値を維持するには、この高価な電力を確保し続ける必要がある。環境重視の71%という数字の裏には、限られたクリーン電力をめぐる厳しい競争が隠されている。

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