高市政権と「チームみらい」を勝たせた23%の正体――彼らは“EV購買層”へと転じるのか? 理念と生活のずれが突きつける現実
2026年衆院選を動かした有権者の23%、最多勢力「新しいリベラル」はEV普及の救世主か。次世代投資を渇望する彼らの理念に対し、壁となるのは平均62歳の首長が守る古い都市構造だ。若手首長なら子育て予算が36%増えるデータが示す通り、電動化の成否は補助金よりも社会の世代交代という本質に懸かっている。
刷新される社会のシナリオ

シナリオAは、若い代表の増加によって社会の優先順位が動き、投資が勢いづく展開だ。50歳未満の首長が選ばれた自治体で子育て支援支出が36%増え、自ら子育て中であれば55%増えている。この実績は、交通インフラでも同じ変化が起こり得ることを思わせる。「新しいリベラル」が掲げる次世代への信託が政策に映れば、都市の充電網整備は待ったなしの課題となり、EVは子育て世代の生活圏で当たり前の存在に近づく。
シナリオBは、住まいの差がそのまま広がるかたちだ。充電環境を整えやすい郊外の戸建て層や富裕層では普及が進む。一方で、都市の集合住宅に住む層は物理的な壁を越えられず、現実的な選択としてハイブリッド車を主力に据え続ける。23%の最多層が抱く理想と日々の暮らしのずれは埋まらない。結果として、市場全体の伸びは抑え込まれる。
シナリオCは、所有から利用へと重心が移る流れだ。製品をソフトウェアの集まりと見る感覚は、車を持ち物ではなく動かす資源として扱う姿勢を強める。カーシェアリングや自動運転を前提とした法人利用が広がり、個人の購入が伸び悩んでも社会全体の電動化は進む。仮に「新しいリベラル」を支える勢力が大きな政界再編に踏み込めば、インフラ整備は将来世代への責任として前に出る。流通のあり方も、その延長で姿を変えていくはずだ。