自動車メーカーが次々乗り込む「アフリカ市場」 実質GDPは約20年で倍増、知られざるポテンシャルをひも解く
現在、世界の自動車メーカーがアフリカ市場に視線を注いでいる。自動車市場が先進国のように飽和していないアフリカだが、自動車の生産拠点や台数が少ない反面、中古車市場として成長を遂げていた。
大きなポテンシャル秘めている市場

現在、世界の自動車メーカーがアフリカ市場に視線を注いでいる。
アフリカ大陸は13億人以上、つまり世界人口のおよそ17%が生活している大きな市場だ。にもかかわらず、現在の自動車保有率は1000人のうち44人にすぎない。
同じ1000人あたりの保有率では、ヨーロッパは602人、アメリカは830人であることを踏まえると、今後の成長への期待が高まるばかりである。
アフリカ市場の魅力と課題は一体何なのだろうか。
2000~2010年代前半で5%台の高成長

自動車市場が先進国のように飽和していないアフリカ大陸には55の国・地域があり、約13.4億人が暮らしている。経済規模は、アフリカ全体で2020年名目国内総生産(GDP)が2.3兆ドルと、日本(4.9兆ドル)の半分以下にすぎない。とはいえ、世界第7位のインド(2.7兆ドル)に次ぐ大きさである。
ここでアフリカにおける、2000年に対する2018年の輸出額と外国直接投資残高、ならびに2017年の実質GDPを比較してみよう。
●輸出額
・2000年:1億4300万ドル
・2018年:4億8200万ドル
●外国直接投資残高
・2000年末:1530億ドル
・2018年末:8950億ドル
●実質GDP
・2000年:1兆1629億ドル
・2017年:2兆3973億ドル
2000年以降、実はアフリカは高成長期に入っていた。輸出額は約3.3倍、外国直接投資残高は約5.8倍、実質GDPは約2.0倍に膨らんでいる。
経済成長率では、2000年から2010年代前半にかけて5%台の高成長を続けていた。2010年代後半からは3%前後と緩やかに成長している。なお、2020年は新型コロナウイルスの影響によりマイナス成長だったものの、2021年以降は再び3%台に回復するとの見込みである。