自動車メーカーが次々乗り込む「アフリカ市場」 実質GDPは約20年で倍増、知られざるポテンシャルをひも解く

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現在、世界の自動車メーカーがアフリカ市場に視線を注いでいる。自動車市場が先進国のように飽和していないアフリカだが、自動車の生産拠点や台数が少ない反面、中古車市場として成長を遂げていた。

日本の自動車メーカーは投資加速

日本企業初の車両組立工場(画像:豊田通商)
日本企業初の車両組立工場(画像:豊田通商)

 日本の自動車メーカーもアフリカ市場に目を向けており、いくつかのメーカーは既に現地での生産を始めている。

 いすゞ自動車は、2017年にいすゞモーターズサウスアフリカ(IMSAf)を設立し、生産を開始している。今後は、IMSAfを南アフリカ共和国、およびサブサハラ地域へのピックアップトラックの供給拠点として位置付けるとしている。

 豊田通商は、2021年6月にガーナにおいて日本企業初の車両組立工場の操業を開始している。年間生産能力は1300台と少なく、かつボルトを締めるだけなどの簡単な加工で車両を組み立てるセミノックダウン生産(SKD)である。

 日産自動車は、豊田通商に続いて2022年3月、ガーナで最新の組立工場の開所式を行った。年間生産能力は約1.1万台であり、南アフリカ、エジプト、ナイジェリア(生産委託)に次いで4番目のアフリカの生産拠点になる。

 現時点では、自動車は南アフリカなど限られた国での生産にとどまり、かつAfCFTAも運用が始まったばかりの状態である。

 とはいえ、将来AfCFTAが完全に運用され、市場や生産拠点が面で広がったあかつきには、人口13億以上、GDP2兆4000億ドル以上の世界屈指の市場になることを踏まえると、各国のアフリカ投資の勢いは今後さらに加速するだろう。

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