なぜ世界はEVに熱狂し、失望したのか?――「補助金疲れ」でも止まらない、国家とメーカーの消耗戦

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EV普及という「環境保護」の建前の裏には、資源安保と産業再興を巡る各国の生々しい本音がある。ロシア産ニッケルが市場の1割を握る等の供給網リスクや補助金疲れで普及は停滞するが、米国の規格統一圧力など「非関税障壁」を巡る攻防は激化。政治経済の視点から、資源小国・日本が直面する電動化の真実を浮き彫りにする。

EV普及の本音と建前

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

「本音と建前を使い分けるのは日本人だけ」だと思うのは大間違いだ。本当の狙いを別の建前で隠すということは世界中で行われている。特にキツネとタヌキの化かし合いでもある国際政治経済の場面では、「本音と建前」が複雑に入り組んでいる。

 車の世界では、昨今環境問題が大きく注目され、それにともない電気自動車(EV)に代表される環境対応車の普及促進が課題となっている。だが、この環境対応は建前であり、各国が多額の補助金を費やしてまで環境対応車を売りたいのにはそれなりの本音がある。

 世界及び日本のEV普及については、国内でも多くの考察記事が出されてきた。だが、それらの記事の多くは、建前である環境保護の視点が多く、本音である

「国際政治経済からの視点」

が少ないような気がしてならない。そこで本稿では、世界は何を考えEV普及にかじをきり、そしてそれは現在どう転換したのかについて、欧州、米国、日本の思惑を書いてみたい。

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