「真っ白で道が見えません」 猛吹雪の高速道路で出現した“光の線”の正体――視界ゼロでも安全に走れるワケ

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冬期の高速道路では、凍結や降雪で事故リスクが最大8倍に増す。プロジェクションガイドによる路面への光投影は、視界不良下でも車両の安全走行を支え、物流網の遅延を抑える可能性を示している。

光で示す雪道の安全

プロジェクションガイド(画像:積水樹脂)
プロジェクションガイド(画像:積水樹脂)

 NEXCO東日本の分析によれば、冬の高速道路はスタックや事故が相次ぎ、警戒を要する状況が続く。天候や路面状態の変化も激しく、物流の定時性を保ち、社会基盤としての機能を維持するには、冬用タイヤの装着やタイヤチェーンの携行が欠かせない前提となる。

 日本自動車タイヤ協会の調査では、乾燥路面と比べて圧雪路面は滑りやすさが3.2倍、凍結路面では5.4倍、さらに平滑な凍結路面になると8.0倍に達することが示されている。摩擦力の低下は車両の制動力を奪うだけでなく、通行可能な車両の数を制限し、道路全体の処理能力を大きく損なう要因となる。

 除雪や凍結防止作業を続けても、ホワイトアウトや激しい降雪の前には物理的な整備だけでは対応できない。視界が失われればドライバーは適切な判断を下せず、交通の滞りを招きやすくなる。こうした状況に対応するため、ネクスコ・エンジニアリング東北と積水樹脂は「プロジェクションガイド」を共同開発した。プロジェクター光学技術を用い、路肩ラインを直接路面に投影する仕組みである。

 この技術は東海北陸自動車道白川郷インターチェンジ(IC)付近や関越自動車道土樽パーキングエリアから湯沢IC間などで実際に導入され、夜間や視界が悪い条件下でもドライバーに正しい走行位置を示している。

 路面状況に左右されず、情報の信頼性を確保できることが特徴で、悪天候時でも道路の交通容量を維持する実務的な手段として期待される。高度な視覚支援によって交通の途絶を防ぎ、広域物流網の損失を抑える可能性について、今後さらに検証が進められる段階にある。

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