「真っ白で道が見えません」 猛吹雪の高速道路で出現した“光の線”の正体――視界ゼロでも安全に走れるワケ

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冬期の高速道路では、凍結や降雪で事故リスクが最大8倍に増す。プロジェクションガイドによる路面への光投影は、視界不良下でも車両の安全走行を支え、物流網の遅延を抑える可能性を示している。

視線誘導標の限界

プロジェクションガイドを照射した様子(画像:ネクスコ・エンジニアリング)
プロジェクションガイドを照射した様子(画像:ネクスコ・エンジニアリング)

 積水樹脂によると、道路に設置される視線誘導標は車道の側方に沿って路線の形を示し、ドライバーの視覚を補助する役割を担っている。道路の端や中央線、カーブや縁石の存在を強調することで、視界が悪い状況でも安全な走行を支える基盤となる。土木学会東北支部の研究では、特に冬期の夜間において、こうした施設が路線の形状を正確に伝える役割を果たしていることが示されている。

 積雪や寒冷地の高速道路では、路面の区画線が雪に覆われるため、反射型や自発光型の視線誘導標が配置されてきた。しかし降雪時の認識は容易ではなく、ドライバーは長時間にわたり緊張を強いられる。

 従来の自発光デリニェーターやスノーポールは中央分離帯側に点状で設置されるため、路線の流れを連続的に把握することは難しかった。不連続な情報を補完するためにドライバーの認知能力がより多く必要となり、長距離移動では疲労を増やす要因にもなる。

 それに対してLEDと特殊レンズを組み合わせたプロジェクションガイドは、帯状の光を路面に直接投影する。夜間や視界不良時でも車線の外側線を連続的に把握できるようになり、降雪時には斜め上方から照射することで空中に緑色の光の幕が形成される。これにより視覚的な誘導効果がより確実になる。物理的な構造物を路面に立てる必要がないため、除雪車との接触による破損や着雪での機能喪失といった管理上のリスクも回避できる。

 情報の途絶を防ぎ、ドライバーの認識負荷を軽減することで、冬期の交通網を安定して稼働させるための実効的な手段として注目される。

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