山陽道「3000人襲った理不尽な停滞」 なぜ30台の不備を“走行中”に暴けるのか? 1台ずつ止めていた「あの検問」を過去にする驚きのシステムとは
冬期の高速道路では、装備不足の車両が渋滞や立ち往生を誘発するリスクが依然として顕在化している。自動判別システムの導入で約6割の目視チェックを削減、効率化と安全確保を両立させる新たな管理手法が広がりつつある。
運用の効率化と経費削減

西日本高速道路エンジニアリング四国のウェブサイトによると、冬用タイヤ規制の一次選別には自動判別システムが導入されており、目視で確認する必要のある車両は以前に比べておよそ6割減少したという。
単位時間あたりにチェックできる台数も3倍に増え、規制にともなう渋滞の発生を抑える効果につながっている。以前は全ての車両を一時停止させていたため、走行経路上に物理的な抵抗が生まれていたが、このシステムによって交通の流れはより円滑になった。
人的資源の使い方も見直されている。2021年以前の現場では、誘導員5人、タイヤ確認員5人、補助員3人、規制車2台という体制で運用していた。それが2022年以降は誘導員ひとり、タイヤ確認員ふたり、規制車1台にリースの自動判別機1台を加えた運用が可能となった。限られた労働力を効率的に活用できることで、人件費の抑制だけでなく現場の安全性向上にもつながっている。
費用面での効果も明確だ。導入前には1か所あたり月額約430万円が必要だったが、導入後は月額約280万円に低減し、月間で約150万円の節約を実現した。この数字は単なる収支改善にとどまらない。渋滞緩和による燃料消費の抑制や、物流の定時性維持がもたらす広域的な利益を考えれば、運用の価値はさらに大きいだろう。
インフラ維持費を抑えつつ利用者の時間を守るこの取り組みは、持続可能な交通網の運営にもつながっているのだ。