日本「EVで韓国に完敗」――市場は3倍でも販売4倍差、全方位の分散と「集中投資」の速度差とは

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新車市場は日本の3分の1規模。それでも韓国のEV販売は日本の約4倍、25年は22万台と50%増に転じた。数字が示す差の正体を追う。

日本が学ぶべきこと

日韓EV市場の普及・戦略比較。
日韓EV市場の普及・戦略比較。

 韓国のEVの普及が、日本よりも明らかに早い。この違いは、ここ数年の販売台数を追うだけでも見えてくるが、背景をたどると事情はもう少し具体的だ。政策とメーカーがほぼ同じ方向を向き、歩調を合わせてきた。その積み重ねが、市場の動きとして表面化している。

 補助金は早い段階から組み込まれ、商品計画と販売金融がそれに合わせて動く。充電網の整備も後追いではない。いずれも同時に進められ、購入の障壁を順に下げてきた。結果として、EVはいずれ広がる技術ではなく、すでに

「売れて当然の選択肢」

として扱われている。社会全体が、そうした前提で動いている印象がある。

 日本にも振興策がないわけではない。補助金もあれば、自治体の支援策もある。ただ、それぞれが別々に存在している感が強い。メーカーの動きときれいに重なっているとはいいにくく、点はあっても線になっていない。技術力で見劣りしているとは思えないのに、市場の立ち上がりでは差がついてしまった。要因は能力の有無というより、動かし方の違いだろう。

 韓国のEV比率は、日本の10倍に近づきつつある。この開きは、国土の広さや国民性、車の好みといった話だけでは説明がつかない。条件の差で片づけてしまうと、現実が見えなくなる。むしろ、政策と企業がどれだけ密に連絡を取り合い、同じタイミングで動いているか。その差がそのまま数字に出ているように思える。

 日本では、あらゆる選択肢を並べる方針が続いてきた。結果として資源は分散し、どこに力点があるのかが見えにくい。韓国は投資を集中させ、狙いを絞っている。その姿勢が、次の標準を押さえにいく動きにつながっている。気づけば、市場の主導権はそちらに傾きつつある。

 EVを巡る競争は、技術の優劣だけで決まる話ではない。どう広げ、どう日常に組み込むか。社会全体での進め方が問われている。韓国の市場を見ていると、その事実が具体的な数字として現れていることに気づく。日本に必要なのも、新しい発明というより、動きをそろえるための取り組みなのかもしれない。

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