日本「EVで韓国に完敗」――市場は3倍でも販売4倍差、全方位の分散と「集中投資」の速度差とは
輸入車の存在感

ここ数年の韓国の新車市場を見ていると、売り場の景色が少しずつ変わってきたと感じる。国産ブランドが並ぶなかに、海外勢がごく当たり前に入り込み、存在感を保っている。いまや例外的な存在ではない。
韓国輸入自動車協会(KAIDA)によれば、2025年に韓国で登録された新車は約151万台。そのうち輸入車は約31万台に達した。統計が始まった1987年以降で初めて、比率が2割を超えた計算になる。2025年5月からは8か月連続で20%台を維持し、9月には23%まで上昇した。数字を追うと、海外ブランドが確実に市場の中核に入り込んでいることがわかる。
背景にあるのは、消費者の目線の変化だろう。自国ブランドを優先するという感覚よりも、ソフトウェアの出来や価格の妥当性といった実利が重視され始めている。メルセデス・ベンツやBMW、ボルボといった欧州勢、そしてテスラが上位を占める並びは、その空気をよく表している。レクサスの比率は5%前後にとどまる。品質の高さや接客の丁寧さといった日本車の持ち味が、デジタル化した移動体験を求める層の関心とは、どこかずれている現実が透けて見える。
EVに限ると、その傾向はいっそうはっきりする。テスラの販売が伸び、BYDが本格参入したことで、輸入EVのシェアは42.8%、台数にして9万台を超えた。輸入車のなかでEVが占める割合は3割近い。なかでも中国で生産されたモデルは前年の約2倍となる7万台が売れ、全体の33.9%を占めている。手の届きやすい価格帯の車種が増えたことで、買い手の裾野が広がったという手応えがある。
国産メーカーに加え、テスラや中国勢が横並びで競り合う。そんな売り場では、ブランドの出自よりも、日々の使い勝手や支払額が基準になる。生活に合うかどうかを冷静に見比べて選ぶ姿勢が、すでに当たり前になっている。
これに対し、日本の動きはやや穏やかだ。日本自動車輸入組合の集計では、2025年の輸入車販売は約24万台で前年比7%増。EVの輸入車は26.1%増の約3万台と過去最高を更新したが、そのうち1万台余りはテスラが占めている。輸入車全体に占めるEVの比率は約13%で、韓国の半分以下にとどまる。
海外製EVはまだ、強い関心を持つ一部の層が選ぶ商品という位置づけから抜け出せていない。市場の広がり方に差が出ているのは、そうした受け止められ方の違いが、そのまま数字に表れた結果なのだろう。